獅子風蓮のつぶやきブログ

創価を卒業し、組織にしばられず、いろいろ考えたりしたことや、読書感想などを書いています。

佐藤優はトランプとプーチンの帝国主義的な勢力均衡論を擁護するのみ

ウクライナ戦争に関して、d-マガジンで興味深い記事を読みました。

引用します。

 


AERA11月3日号

佐藤優の7DAYS | 実践ニュース塾◆516

険悪首脳会談も納得
ぶれぬ対ロシア戦略

 

(10月17日、ホワイトハウスで会談した
トランプ大統領ウクライナのゼレンスキー大統領)


10月17日、ワシントンのホワイトハウスで行われたトランプ米大統領ウクライナのゼレンスキー大統領の首脳会談はかなり険悪な雰囲気だったようです。
〈複数の欧米メディアは(10月)19日、トランプ米大統領ウクライナのゼレンスキー大統領に対し、ロシアの要求を受け入れるよう迫ったと伝えた。「そうでなければウクライナは滅ぼされる」との趣旨の発言もあったという。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、トランプ氏は17日のワシントンでの会談でゼレンスキー氏を終始罵倒し、「怒鳴り合い」になる場面も目立った。ウクライナ側が示した戦況地図も投げ捨てたという〉(10月20日朝日新聞デジタル
この結果は、全く意外なものではありません。トランプ氏の対ロシア戦略の大枠にぶれはありません。それは以下のようなものです。
「ロシアとの協力態勢を強化することがアメリカの国益に適う。ロシア・ウクライナ戦争は、バイデン前米大統領によって始められた私戦で、アメリカの国益と関係ない。ウクライナ ゼレンスキー大統領は、バイデン氏の代理人で、俺(トランプ氏)たちの側の人間ではない。ロシア・ウクライナ戦争は、一種の不良債権で、早く損切りしなくてはならない」
この認識を踏まえておけば、米口関係の基本的な流れを捉え損ねることはありません。トランプ氏がウクライナのために政治的リスクを負うことはないのです。こういうトランプ氏に頼らざるを得ないというのがウクライナの置かれ現状です。
終戦の行方を左右するのはプーチン氏であり、影響を与えられる指導者はトランプ氏をおいて他にはいない――。ウクライナのそんな「苦境」は、ゼレンスキー氏が会談後に語った最後の言葉に詰まっている。
「我々には米国が必要だ。現時点で米国だけが、トランプ大統領だけがロシアと話している。米国からの『安全の保証』が必要なのは、プーチンが再び侵略にやってこないようにするためだ」〉(10月18日、朝日新聞デジタル
プーチンが再び侵略にやってこないようにするため」には、〈ロシアとウクライナ両国が「いまいるところで止まるべきだ。双方が勝利を主張し、歴史が判断すればいい」と、現状での停戦案を示唆した〉(同上)、すなわち、ロシアによるウクライナ領の占領を事実として認めるしかないというのがトランプ氏の基本認識です。
いずれ行われる米口首脳会談で、ロシア・ウクライナ戦争終結に向けた基本的枠組みは、まず米口が基本合意をし、それをウクライナとヨーロッパ諸国にのませるというシナリオになることが確認されると思います。トランプ氏もプーチン氏も、帝国主義的な勢力均衡論でロシア・ウクライナ戦争を解決するという共通の発想をしているのです。ゼレンスキー氏は、アメリカからトマホークミサイルの供与を受け、ロシア本土を攻撃することによって、反転攻勢に繋げたいという夢を見ているのでしょうが、米口の協力強化を考えるトランプ氏がウクライナの要請に応えることはないと思います。

 

 

 


解説

10月17日、ワシントンのホワイトハウスで行われたトランプ米大統領ウクライナのゼレンスキー大統領の首脳会談はかなり険悪な雰囲気だったようです。

 

このニュースを知った時、心が痛んだものです。

国民がロシアの侵略に苦しんでいる国の大統領に向かって、そんな高圧的な態度をとるトランプを憎む気持ちがおきました。

 

ロシア・ウクライナ戦争終結に向けた基本的枠組みは、まず米口が基本合意をし、それをウクライナとヨーロッパ諸国にのませるというシナリオになることが確認されると思います。トランプ氏もプーチン氏も、帝国主義的な勢力均衡論でロシア・ウクライナ戦争を解決するという共通の発想をしているのです。

 

佐藤氏はこのように他人事のように現状分析してみせます。

以前は、論文や著書でウクライナ戦争を論じる場合は、たとえロシアの肩を持つような内容であっても、バランスを取るように、次のように書くことが通例でした。

言うまでもないことですが、ロシアがやっていることは間違っています。独立国家であるウクライナにいきなり軍事侵攻を仕掛けるなど、どんな理由があっても既存の国際法では認められません

(たとえば、獅子風連のつぶやきブログのこの記事の解説など)

 

今回のこのアエラの記事では、そんな言い訳めいた言葉さえ載せることはしていません。

今必要なことは、プーチンやトランプが帝国主義的な勢力均衡論でロシア・ウクライナ戦争を解決することを追認することではなく、あくまで力による領土の侵略は許さないという国際世論を強く築き上げることではないでしょうか。

そのために、政治家や言論人は声をあげてほしいです。

 

 

獅子風蓮