獅子風蓮のつぶやきブログ

創価を卒業し、組織にしばられず、いろいろ考えたりしたことや、読書感想などを書いています。

小林至『アメリカ人はバカなのか』を読む その14

別のところ(獅子風蓮の青空ブログ)で、こんな記事を書きました。

柳原滋雄氏のブログより その17 トランプはサイコパスなのか?(2025-11-25)

「妙法のジャーナリスト」柳原滋雄氏は、トランプ大統領を「サイコパス」だと断定しています。

私も、トランプは極めて問題の多い人物だと思っています。
しかし、それが厳密な意味で「サイコパス」と言い切れるかどうかは、自信がありません。
ノーベル平和賞を無邪気に欲しがってみせたり、子どもじみて愚かな人物だとは思うのですが、そんな人物を大統領に選んだアメリカ国民の多くの人々に対する失望の方が大きいかもしれません。

アメリカ人って、バカなの?

そして、探してみたら、そのものズバリのタイトルの本を見つけました。

小林至『アメリカ人はバカなのか』(幻冬舎文庫、2003年)

アメリカ人は「自由」という言葉をことさら好むが、これは「勝者は敗者に何をしてもよい」という自由だった!すさまじい拝金主義、はびこる人種差別、世界一高い医療費、割り算のできない学生がいっぱいの名門コロンビア大、年々広がる貧富の格差、銃を野放する殺しあい社会…なのに、そんな自国が大好きなアメリカ人を、冷静に論じた快著。

 

かいつまんで紹介したいと思います。

アメリカ人はバカなのか』

□まえがき
■第1章 誰のための好況か?
――繁栄の果実を味わえない中産階級
 □市場がすべてを解決するのか?
 ■二極分化が落とす危うい影
  □取り残された中産階級
  □庶民の生活は以前より困難に
  □広がる所得格差
  □主婦が働きに出る本当の理由
  □ニューエコノミーのからくり
  □苦渋をなめるのは庶民だけ
  □骨抜きにされた労働組合
  □経済のグローバル化で本当に得をするのは誰だ?
  ■CEOは疫病神?
  □二極分化がもたらしたもの
  □愛国心が強すぎるのも考えもの
  □勝利のためなら手段を選ばない
  □米国はユートピアにあらず
 □富裕層だけが得をする税制

□第2章 危機に瀕するデモクラシー
□第3章 米国は平等なのか?
□第4章 「一人勝ち」の代償
□番外編 リストラ体験レポート

 


第1章 誰のための好況か?
――繁栄の果実を味わえない中産階級

二極分化が落とす危うい影

CEOは疫病神?

外野から見ると格好よく見えるのか、外資系企業に勤める日本人が、「CEOというのは大変な激務で、株主のプレッシャーに耐え、何千億という富を会社にもたらしている」というのを時おり耳にします(米国一般市民にはそんなことをいう人はまずいませんが……)米国大企業は、CEO(Chief Executive Officer: 最高経営責任者)、COO(Chief Operating Officer: 最高執行責任者)、CFO(Chief Financial Officer: 最高財務責任者)など、決定権を握る大幹部が交代する際、必ずといっていいほど株主に対し、「この会社の将来には何の悪影響も及ぼしません」と発表します。これはなぜでしょうか。
昨年、CEO交代があったコンパックは、わざわざ大新聞各紙の1ページ全面を使って、「CEOが誰であろうと変わりません。製品と会社の運営は従来通り、良いものを提供し続けます」と大広告を打ちました。
確かに、CEOになる人間は、才能、境遇などの運的要素に加え、智恵と努力を振り絞ってその座を射止めたのですから、一般従業員と同じでいいとは思いません。しかし、一般労働者が、3万ドルにも満たない給料では家族を食べさせてはいけないから、夫婦共働きで汗水垂らしているのを尻目に、1000万ドルの給料を貰う理由はないと思うのです。
だいたいCEOはリスクを取りません。こんな話があります。2000年5月17日付の『ニューヨーク・タイムズ』によると、玩具大手マテルの元CEO=ジル・バラドは、在籍3年で、5000万ドルの退職金を貰ったのですが、その間、業績はというと悪化する一方で、株価も27・75ドルから11・81ドルにまで下落していたのです。
トップが経営責任を取らない、こういうことが平気で罷り通ってしまうところに、この国が抱える問題の深さが表れていると思うのです。そごうの水島会長の年間報酬4億円など、米国企業の会長(CEO)に比べれば可愛いものです。
自身には何一つ、責任が降りかからないように仕組んでいるどころか、自分の利益をあげるためにはコスト削減とばかりに、人間を道具のように、簡単に切り捨ててしまうのも米国流です。
たとえば、トースターやオーブンなどで米国内では知らぬもののない Black & Decker 社のCEO=ノーラン・アーキボールド。1998年、アーキボールドは、3000人の労働者を切りながら、自身の報酬は、前年の360%増し、5000万ドルの大台にのせました。これは決して特殊な例ではありません。シティ・コープのCEO=ジョン・リードは、1997年、9000人のクビを切っておいて、自身は前年の15%増しとなる400万ドルの報酬を手にしています。
さらに一般市民には悪いことに、このCEOの巨大報酬が、政府の税収減少につながり、その皺寄せが一般納税者に回されている現実があります。どういうことかというと、本来、利益として計上されるべきものが、幹部への報酬という形を取ることで利益を大幅に圧縮されているということです。利益がなければ、税金は取れません。
実際、IRS(Internal Revenue Service: 国税局)のデータ(図表14:省略)によると、米国がまだ民主主義国家として、世界中から羨望の眼差しを向けられていた1957年には、連邦税の27%が法人税からなっていましたが、1977年には、15%、そして最新のデータによると1998年にはその割合は11・4%にまで下がっているのです。その分の皺寄せは、どこへいったかというと庶民です。庶民の重税に関しては後述しますが、法人からの税収と個人からの税収との割合は、1950年の3対4から現在は1対5にまで広がっています。

 

 


解説

一般労働者が、3万ドルにも満たない給料では家族を食べさせてはいけないから、夫婦共働きで汗水垂らしているのを尻目に、1000万ドルの給料を貰う理由はないと思うのです。
だいたいCEOはリスクを取りません。

 

私も著者の主張に同感です。

 

 

獅子風蓮