獅子風蓮のつぶやきブログ

創価を卒業し、組織にしばられず、いろいろ考えたりしたことや、読書感想などを書いています。

旧統一教会を擁護する佐藤優 その1

 

旧統一教会(家庭連合)は先日、宗教教団の解散命令を受けました。
そんななか若干古いですが、月刊誌「Hanada」2026年2月号で、興味深い対談を読みました。

貴重な証拠ですので、引用します。

 


Hanada2026.02

山上徹也裁判の罪と罰

 

佐藤優 元外交官・作家
さとうまさる
1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科終了。外務省に入省後、在英国日本大使館、在露大使館勤務を経て、95年から外務省国際情報局第一課で勤務。2002年に鈴木宗男事件に連座し、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され、05年に有罪判決。09年、最高裁で上告棄却され、有罪確定。著書に『国家の罠』『自壊する帝国』『十五の夏』など。近著の『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる』がたちまち十万部を超えるベストセラーに。

仲正昌樹 金沢大学法学類教授
なかまさ まさき
1963年、広島県生まれ。金沢大学法学類教授。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程終了(学術博士)。専門は法哲学、政治思想史、ドイツ文学。著書に「悪の法哲学』『ネットリンチが当たり前の社会はどうなるか?』『ドゥルーズ+ガタリ〈千のプラトー〉入門講義』などがある。また、統一教会体験を綴ったものに『Nの肖像』『統一教会と私』がある。

 

歪な山上裁判

佐藤 仲正先生は法哲学や政治思想史、ドイツ文学などがご専門で、現在は金沢大学で教授を務められています。その一方で、最近は統一教会の元信者として、さまざまな発言をされていますね。先生が信者だったのは、いつごろですか。

仲正 私は1981年に東京大学に入ったのですが、入学式直後に原理研究会(統一教会の大学生向け組織)から勧誘されて、1992年秋までの11年半、信者でした。

佐藤 どうして脱会されたのですか。

仲正 当時の私は世界日報の記者をしていましたが、教団内での人間関係がうまく構築できず、また「祝福」への不信が強くあったことが大きな理由です。

佐藤 祝福というのは、合同結婚式でマッチングされた相手との婚約関係のことですね。

仲正 ええ、相手が決まってすぐに結婚するわけではなく、しばらくの間、婚約状態になるのですが、その間に「祝福」への不信が募っていったんですね。

佐藤 そして東京大学の大学院に入られ、以後は学者の道を歩んでこられた。それが、山上徹也による安倍元首相殺害事件をきっかけに、統一教会について発言されるようになった。

仲正 事件を受けて、知り合いの左翼系大学教員が、SNSで元統一教会の仲正氏は何と言うだろうかとつぶやいたんですよ。それをテレビ局の人が見たらしく、話を聞きに来た。それじゃあ、思っていることを話しましょうということで、自分の知っていることを話し始め たのが最初です。
ただその際、教団を糾弾したい相手に合わせて話を“盛る”ことをしなかったので、これじゃコメンテーターとしては使えないな、と自分でも思ったとおり、そうなりました(笑)。

佐藤 誠実な態度です。

仲正 その後、統一教会に関して、自民党を陰で操っているとか、海外の諜報機関の下部組織だとか、あるいは人間を操るマインドコントロールの技術を持っているとか、私の知っている実態とはかけ離れた話が氾濫するようになったんですね。それで黙っていることができず、いろいろな機会に発言してきたんです。

佐藤 現在、安倍元首相殺害の裁判と、教団の解散命令をめぐる控訴審が同時に進んでいますね。ともに来年(2026年)1月には結論が出そうですが、まず山上裁判についてはどのように見ておられますか。

仲正 これはもう多くの人が指摘しているように、山上が安倍元首相を殺害した事実経過とその直接の動機を問うべき裁判であって、統一教会との関係は背景の一つの要因にすぎない、と見るべきだと思います。

佐藤 まったく同感です。

仲正 たしかに、母親が統一教会の信仰を持ったことでいろいろ嫌な目に遭ってきたのは間違いないと思うんですが、それだけでは判断できない。

佐藤 この裁判の特徴は、山上被告が事実関係を争わなかったために、すぐさま情状面の証人尋問が始まったことです。普通の刑事裁判なら、最後に出てくるのが情状証人です。このため、彼の生育環境だけがクローズアップされる歪な裁判になってしまった。でも、山上被告も成人ですから、母親と直線的な関係性のみで半生を語れるものではないはずです。

仲正 そのとおりです。山上被告が直接的に母親と暮らして嫌な目に遭ったのは高校くらいまでで、その後はいろいろな感情は抱えていたかもしれませんが、一人の社会人として生きてきたわけです。また、一時は母親に勧められて韓国の統一教会まで出かけている。だから教団をずっと恨んでいたというより、関心を持っていた時期、救えるものなら救ってみろといった思いを持っていた時期もあるでしょう。


山上徹也が作った「物語」

佐藤 山上被告は何かに対して怒っているのだけど、その対象をとりあえず統一教会と言っているうちに轍(わだち)ができてしまい、そこから抜けられなくなったというふうに見えますね。

仲正 一般に自分の動機が社会的問題だと言っている場合、ほとんどは――。

佐藤 個人的な問題です。

仲正 はい。自分のなかでいろんな問題があって、どうして自分の人生がうまくいかないんだと考える。その時に近くにあった統一教会と結びつけて、その上に安倍元首相という、長い間自民党政権で首相だった人が浮かんできた。
自分が死んでもいいから何かを変えたいと思ったのは、間違いないでしょう。その切実さのなかで、統一教会や安倍元首相が出てきたということだと思います。

佐藤 安倍首相という日本のトップと、社会の最底辺の自分という二項対立的な物語を作ってしまった。

仲正 統一教会は、献金の一部を山上家に返金しています。普通なら返金が行われて、その前と同等以上の憎しみを持ち続けるのは難しいんじゃないかと思いますけども。

佐藤 すべて統一教会のせいだ、と考えてつけた仮面であるペルソナが剥がれなくなってしまった。そんな状態ではないでしょうか。ただ、その物語は彼の物語で、日本全体に拡散するようなものではないから、私も付き合わないし、仲正先生も付き合っていない。そもそも、あまりにも事実関係から乖離していますし。

仲正 安倍首相と統一教会がさほど親しくないのは、彼もわかっていたと思いますね。

佐藤 少なくとも、裁判においては事実関係を確定させることが必要で、それに基づいて何をしたか、本人の認識、周辺の人の認識を、それぞれ切り分けながら明らかにしていくことが重要です。そして全体の評価を裁判所がやり、さらにメディアが検証すればいい。
でも、最初から決まったストーリーがあり、そこに証拠や証言をパッチワークしていくんじゃ、たまったものじゃないですね。

仲正 一人の社会人として生きた時期も長いのに、それを二十数年前まで遡って、メインの動機として語るのは、どう考えてもおかしいと思います。

(つづく)

 


解説

仲正 一人の社会人として生きた時期も長いのに、それを二十数年前まで遡って、メインの動機として語るのは、どう考えてもおかしいと思います。

 

仲正氏のこの発言はいかがなものでしょう。

氏は、大学生になってからの入信であり、家族が旧統一教会の献金のために崩壊していく中で育っていった二世の苦しみにまったく理解が行き届いていないと思いました。

 

 

獅子風蓮