獅子風蓮のつぶやきブログ

創価を卒業し、組織にしばられず、いろいろ考えたりしたことや、読書感想などを書いています。

高市首相の「存立危機事態発言」について その1

高市首相の「存立危機事態発言」に関して、d-マガジンで興味深い記事を読みました。

引用します。

 

 


週刊文春12月4日号

連載685
高市発言はなぜ中国を怒らせたのか

緊張が続く日中関係は、悪化の一途をたどっています。中国政府が国民に日本に旅行に行くことに慎重になるように呼び掛けたり、日本への留学の慎重な検討を呼び掛けたり、再開したばかりの日本産の水産物の輸入を停止したりと、日本に対する嫌がらせがエスカレートしています。
こうした態度をとるのが省庁横断的に行われているということは、より高い位置にいる人物が命じていることをうかがわせています。要するに習近平国家主席が「日本を締め付けろ」と命じているのだろうということがわかります。
中国の国民は、こうしたことに敏感ですから、「日本への旅行の自粛を」と呼びかけられたら、「旅行に行ったら帰国した後で大変なことになるだろう」と考えてキャンセルすることになるのです。
今回の緊張関係は、高市首相が11月7日の衆議院予算委員会で台湾有事と存立危機事態の認定をめぐって、答弁した内容がきっかけでした。そこでどんなやりとりがあったのか、振り返ってみましょう。
この発言は、立憲民主党岡田克也議員の質問に答えたものです。岡田氏は、自民党麻生太郎副総裁が「中国が台湾に侵攻した場合、存立危機事態と日本政府が判断する可能性が極めて高いという言い方をしている」と述べて、高市首相の考えを質しました。これに対する高市首相の答えは、次の通りです。
「台湾を完全に支配下に置くためにどういう手段を使うか。単なるシーレーンの封鎖かもしれないし、武力行使かもしれないし、偽情報、サイバープロパガンダかもしれない。それが戦艦を使い武力の行使もともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になりうるケースだ」
ここでいう「存立危機事態」という概念が分かりにくいですね。これは、安倍政権が2015年に整備し「安保法制」に盛り込まれたものです。それまで歴代の内閣は、「日本には個別的自衛権集団的自衛権もあるが、憲法9条の規定により集団的自衛権は行使できない」という見解でした。
個別的自衛権とは、日本が他国から侵略されたら、自国を守るために軍事力を行使することができる権利です。これはまあ、当然でしょう。問題は集団的自衛権です。これは、「仲のいい国同士でグループを組み、仲間が他国から攻撃を受けたら、まるで自国が攻撃を受けたかのように仲間を守るために戦う」というものです。たとえばアメリカとヨーロッパ諸国で構成しているNATO北大西洋条約機構)の規定が典型例です。
でも日本は憲法で戦争を放棄していますから、たとえばアメリカが他国から攻撃されてもアメリカを守るために自衛隊が海外で武力行使をしたら、これは憲法違反になります。
かといって、日本の近海で米軍が他国から攻撃されて被害を出しても日本は知らん顔をしていていいのか、という問題が生じます。そこで考え出されたのが「存立危機事態」という概念です。


日本は「曖昧戦略」を取ったが

これは、日本が直接攻撃を受けていなくても、密接な関係にある他国が攻撃された際に、日本の存立が脅かされ、国民の生命などに明白な危険がある事態を指します。この存立危機事態になって、ほかに適当な手段がない場合、必要最小限の実力行使ができるというものでした。つまり他国への攻撃であっても一緒になって戦うことができるという、まさに集団的自衛権を行使できるようにしたのです。
この場合の「密接な関係にある他国」とはアメリカのことです。この存立危機事態という概念が登場したとき、当時の安倍首相は、「ホルムズ海峡の機雷封鎖によって、日本に深刻なエネルギー危機が生じ得る場合、存立危機事態になり得る」と答弁しています。
実際には米軍が台湾を守ろうとして戦闘になった場合、日本の自衛隊が応援に駆け付けられるようにと法整備をしたのですが、台湾を想定していると明言すると中国が怒ることは明らかだったので、安倍首相はホルムズ海峡を例にとったのです。つまり台湾などという具体的な地名は出さず、どういう条件のときに自衛隊が軍事行動に出るかも明言しないという「曖昧戦略」を取ったのです。その後の内閣も、何をもって台湾有事というのか、台湾有事の際 に自衛隊はどうするかについて曖昧なままにしておくという方針だったのです。
しかし、高市首相はわかりやすい答弁を心がけているようですから、自衛隊が軍事行動をとる条件を明らかにしてしまったのです。発言の内容自体は別に間違っていないのですが、「言わなくてもいいこと」を言ってしまったのですね。
では、この発言を中国の立場で解釈すると、こうなります。「台湾は中国の不可分の領土だ。ここを統一しようとするのは国内問題であり、米軍が出動するのは内政干渉だ。しかも存立危機事態だといって日本の自衛隊も出てくるということは、日本がアメリカと一緒になって中国と戦争をすると宣言したことになる。そもそも台湾は、日清戦争に勝った日本が中国から奪い取ったものだ。その台湾を統一しようとしたら、また日本が介入しようとするのか。そんなことは許さない」
中国の言い分を認めるかどうかはともかく、これが中国の「内在的論理」なのです。「日本はアメリカと一緒になって中国と戦争をする気だ」と中国が受け止めたとは、多くの日本の人が理解できないかもしれませんが、これが現実です。
中国はさらに対応をエスカレート中で、今月19日、国家安全省が公式SNSへの投稿で「近年日本によるスパイ事件を摘発してきた」と強調しました。これは驚くべき発信です。「中国に来た日本人はスパイ容疑でいくらでも逮捕できるぞ」と脅したのです。しばらくは中国に行かないようにした方が安全かも。

 

 

 


解説

つまり台湾などという具体的な地名は出さず、どういう条件のときに自衛隊が軍事行動に出るかも明言しないという「曖昧戦略」を取ったのです。その後の内閣も、何をもって台湾有事というのか、台湾有事の際 に自衛隊はどうするかについて曖昧なままにしておくという方針だったのです。
しかし、高市首相はわかりやすい答弁を心がけているようですから、自衛隊が軍事行動をとる条件を明らかにしてしまったのです。発言の内容自体は別に間違っていないのですが、「言わなくてもいいこと」を言ってしまったのですね。

 

なるほど、池上氏の解説は分かりやすいですね。

アンチ界隈を含めて、ネットの世界では高市首相の発言を失言ととらえ、発言を取り消すべきだ、首相を辞めろなどと、高市首相に批判的な発言が多いですが、かねてから中国の台湾進攻に懸念をもっていた私は、ここは高市首相の足を引っ張るのではなく、日本が、日本国民の生命と生活を守るためにも、中国が武力に訴えることのないよう、うまく中国をけん制すること、それを見守ることだと思います。

そもそも中国が武力で台湾を支配下に置こうとするから、アメリカも黙っていられないわけで、日本も「存立危機事態」と見なさざるを得なくなるわけです。

中国の嫌がらせによる、日本経済の影響は少なくないでしょうが、ここは国内で争っている場合ではありません。

高市首相の踏ん張りに、エールを送りたいと思います。

高市首相、がんばれ。

しっかり食べて、休養はちゃんととって、しっかり仕事をしてください。


獅子風蓮