獅子風蓮のつぶやきブログ

創価を卒業し、組織にしばられず、いろいろ考えたりしたことや、読書感想などを書いています。

イスラエルはなぜあれほど残虐になれるのか? その1


d-マガジンで興味深い記事を読みました。

引用します。

 


サンデー毎日2025年8月17・24日合併号

なぜ世界から非難されても、
イスラエルは戦争を続けるのか

ニュースでは見えない、パレスチナ紛争の本質を知る
対談:鶴見太郎(※)×大治朋子(*)

(※)東京大大学院総合文化研究科准教授
つるみ・たろう 1982年岐阜県生まれ。日本学術振興会特別研究員、エルサレムヘブライ大客員研究員、ニューヨーク大客員研究員などを経て現職。専門は、ロシア東欧 ユダヤ史、シオニズムイスラエルパレスチナ紛争。日本学術振興会賞日本学士院学術奨励賞受賞。著書に『ロシア シオニズムの想像力』(東京大学南原繁記念出版賞、日本社会学会奨励賞) 近著に『ユダヤ人の歴史・古代の興亡から離散、ホロコースト シオニズムまで』
(*)毎日新聞 専門編集委員
おおじともこ 1989年入社。サンデー毎日編集部などを歴任。社会部時代の個人情報不正使用に関する報道で新聞協会賞を2年連続受賞。ワシントン特派員時代の米国による「対テロ戦争」報道でボーン・上田記念国際記者賞受賞。テルアビブ大大学院(危機トラウマ学)などを修了。エルサレム特派員や研究者として現地で6年半を過ごした経験をもとにした最新刊に『イスラエル人の世界観』。専修大学などで客員教授を務める。


鶴見太郎氏の著書『ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコーストシオニズムまで』は10万部のベストセラーを記録。また大治朋子氏の新著『「イスラエル人」の世界観』も発売後、即重版となった。ユダヤ人国家であるイスラエルは、なぜ隣人のパレスチナ人をあれほど苦境におとしめるのか。さらにはイラン、シリアへと攻撃を続ける理由とは。その「真相」を二人の識者が語り尽くす。


大治朋子(以下、大治イスラエルパレスチナガザ地区への軍事行動を続けています。 なぜ攻撃をやめないのか。その疑問をひもとくには、ユダヤイスラエル人について知ることが必須ではないかと感じています。

鶴見太郎(以下、鶴見)そうですね。私自身も2000年に起きたパレスチナ人によるインティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)をきっかけに「パレスチナ問題」への関心が高まり、そ の中で「イスラエル人はなぜパレスチナにこんなひどいことをするのだ」と怒りを感じたことがユダヤ人研究の発端になりました。パレスチナ問題の根源を知るためには、ユダヤ人の歴史を知らなければならないと思ったわけです。

大治 そもそもいったいどういう人が「ユダヤ人」と呼ばれるのか。「ユダヤ人とは何か」についてご教示いただけますか。

鶴見 ユダヤ人はユダヤ人の母親から生まれるか、もしくはユダヤ教に改宗することでなるとされます。ただ、改宗はとても大変です。聖書から導き出されたトーラーと呼ばれる律法を理解して覚えたうえで日々の生活のなかで実践することが求められるからです。そのように生活することがユダヤ人であることを意味します。ただし、いったんユダヤ人であると認められたら、基本的には自由で、不真面目でも追い出されることはなく、徹底して守る人は少数派です。

大治 私はエルサレム特派員や研究者として現地で6年半暮らしたのですが、そこで感じたのは、人によって戒律の解釈も、その守り方もばらばらだということでした。

鶴見 はい。トーラーの戒律を厳守する超正統派、戒律を守りつつも現代社会や政治に積極的に参加する現代正統派のほか、宗教的な戒律はほとんど守らないけれどユダヤ人としての文化やアイデンティティーを重視する世俗派もイスラエルの人口の半数ぐらいを占めます。また地域ごとの違いもあって、イスラエルには正統派が多いのに対し、アメリカでは改革派や保守派、宗派に属さない無宗派も増加しています。あるアメリカのラビ(導師)が「ユダヤ人は少数民族の一つというよりも、世界最大の家族だ」と語りましたが、これは言い得て妙ですね。家族というと、血縁集団で似た者同士といった印象があるかもしれませんが、実際は意見がバラバラで対立している場合もあるわけですよね。そもそも父親と母親というのは血がつながっていなくて、家系も別ですから、必ずしも家族=血縁の定義ではない。例えばイスラエルの中でも、イスラエルユダヤ人とアメリカのユダヤ人は意見がかなり違いますし、(イスラエルの)ネタニヤフ首相への意見は割れています。そのように多様化しても、共通の宗教的・文化的シンボルを共有することでまとまっているわけです。


離散の民が連帯感を持ち続ける理由

大治 とてもわかりやすい例えですね。イスラエルには「ユダヤ人が2人いれば3つの政党が生まれる」というジョークがあります。意見をはっきり持っている人、自己主張をしっかりする人が多い印象があります。一方で連帯意識が強いのも事実で、根本的なところでは非常に信頼しあっているようにみえます。

鶴見 だからこそ正面切って議論できるわけですよね。ユダヤ人にとっては「議論=喧嘩」ではなく健全な意見交換として受け止められています。

大治 もう一つ、ユダヤ人を歴史的に理解するうえで欠かせないのが「ディアスポラ(離散)の民」であるということです。

鶴見 そうですね。ユダヤ人の祖先は古代に王国も築くなどパレスチナで繁栄していたとされますが、バビロン捕囚などをはじめとして異民族に滅ぼされ、強制移住させられました。しかしそこでむしろ故郷を離れてもユダヤ人としてのアイデンティティーを強く意識する者たちがいて、その意識を引き継いで、離散においてもユダヤ人意識を持ち続ける者たちがユダヤ人と定義されるようになったほどです。ディアスポラというのはユダヤ人の歴史の根幹にかかわるわけですね。
また中世から近世では、イエス・キリストの死はユダヤ人の責任であるというキリスト教徒たちの恨みや、ユダヤ人の特別な地位への妬みなどから反ユダヤ主義が拡大し、ヨーロッパ 各地で宗教的、社会的な差別にさらされます。それでもユダヤ教と法体系、コミュニティーを維持し続けてきたという歴史は重要です。

大治 私は現地でよくシナゴーグユダヤ教会堂)に足を運びました。そこはもちろん宗教的な施設なのですが、どこか公民館のようでもある。人々に欠かせない交流、文化の拠点になっていました。かつては読み書きも教えていて、ユダヤ人の識字率、文化や教育のレベルを上げましたよね。

鶴見 トーラーですべてが縛られるのではなく、それをハブとすることで好循環が生まれるというのがユダヤ人のコミュニティーの在り方です。そうしてつながり合うことで遠隔地でも同じことをやっているという信頼関係が生まれ、それが一つの社会的な資本になっている。相手が信用できるかどうか、身辺調査をいちいちしていたら経済的コストも時間もかかります。でも一度信頼すれば取引もスムーズに進むので、ユダヤ人の分布はかなり広範囲ですが、ネットワークはできやすいんです。

(つづく)

 

 


解説

イスラエルによるガザ侵攻は、子どもを含む多くのパレスチナ人を殺害し、あるいは飢餓の苦しみに陥らせています。

以前の私、創価学会員のころの私は、それはユダヤ教イスラム教どうしの争いであり、仏教としてのわれわれの教えを広めること(広宣流布すること)で解決できるというような他人事のような考えをしていました。

でも、いまや傍観することはできません。

一刻も早く、ウクライナやガザで行われている戦争を中止させ、残虐な行為を終わらせなくてはなりません。

なにもキリスト教徒、ユダヤ教徒イスラム教徒を折伏して改宗させることが本質的解決ではなく、仏教的な慈悲の心を内に秘めつつ、現実的な広い視野にたった平和への方策をさぐるべきだと考えるようになりました。

池田大作氏が、キリスト教イスラム教の識者と会談してきたのも、そういう平和への想いがあったからなのかもしれません。

池田氏の著作のほとんどはゴーストライターが書いたもの……という疑惑はありますが、氏の世界平和への意思は確かにあったと私は思いたいのです。

その意思のもとに世界の識者と会談し、本を出し、世界に対しSGI提言をしてきたと……。

少しずつ、氏の業績についても検証していきたいと思います。

 

トーラーですべてが縛られるのではなく、それをハブとすることで好循環が生まれるというのがユダヤ人のコミュニティーの在り方です。そうしてつながり合うことで遠隔地でも同じことをやっているという信頼関係が生まれ、それが一つの社会的な資本になっている。相手が信用できるかどうか、身辺調査をいちいちしていたら経済的コストも時間もかかります。でも一度信頼すれば取引もスムーズに進むので、ユダヤ人の分布はかなり広範囲ですが、ネットワークはできやすいんです。

 

この世界に散らばるユダヤ教徒のネットワークは、SGIメンバーのネットワークのあり方の参考になるかもしれません。

私は、日蓮正宗の信徒による世界的なネットワークをSGIメンバーと協力する形で作れないかと夢想するものですが、ユダヤ人のコミュニティーの在り方は、参考になるかもしれません。

 

獅子風蓮