獅子風蓮のつぶやきブログ

創価を卒業し、組織にしばられず、いろいろ考えたりしたことや、読書感想などを書いています。

『脳外科医 竹田くん』の裁判結果 その2

以前こんな記事を書きました。

『脳外科医 竹田くん』の恐怖 その1~6)



これに関して、d-マガジンで興味深い記事を読みました。

引用します。

 


サンデー毎日2026年4月5日号


視界不良で手術続行
赤穂・市民病院執刀医に有罪
8件の医療事故

「基本中の基本を怠った」法廷が下した判決

ジャーナリスト 粟野仁雄


医療過誤の裁判の判決文で「基本中の基本を怠った」と指弾されることは稀だろう。兵庫県赤穂市民病院で起きた、脊髄神経切断の医療事故。術後、下半身不随となった女性に対し執刀医は「上司の指示」と責任転嫁を繰り返した。判決が暴いた暴挙と、背景にあるゆがんだ組織構造を追う。

(つづきです)

 

器用、不器用のレベルではない

Tさんの親族の男性は「脳外科医 竹田くん」というタイトルの漫画をウェブサイトで公表し、杜撰な医療に対する注目が集まっていた。漫画では松井被告がモデルと思われる医師が、脊髄神経のすぐ近くの骨をドリルで削っていて、誤って神経を傷つけ「うわっ、やってもうた」「オレ、終わった」などと執刀中の医師が台詞を吐くような場面がリアルに描かれ、X(旧ツイッター)などで評判を呼んだ。
このため松井被告は民事裁判の法廷で「『脳外科医 竹田くん』というウェブ漫画で風評が起きています。殺人鬼とか、とんでもない医者、などです。『脳外科医 竹田くん』は事実無根。例えば、ドリルで四肢麻痺になったという話は、四肢麻痺の患者さんを執刀したもの。扇動する内容が先行し、私のイメージが悪化しています」などと訴えていた。
作者は松井被告に対して債務不存在確認訴訟を起こしているが、同被告からの反訴はないようだ。
松井被告は19年7月に同病院に採用されてから、20年2月までの短期間に今回の件を含め8件の手術で、患者を死亡させたり、障害が残るなどした医療事故に関与していたことを病院側が明かしている。同被告は刑事裁判では「私の責任でないケースや誰がやってもそうなるケースもある」などと反論していた。
この事件ではTさんの家族が松井被告と赤穂市を相手に約1億4000万円の損害賠償を求める裁判を起こし、昨年5月、神戸地裁姫路支部の池上尚子裁判長は、「技量不足があったとまでは認めることはできないが、注意義務違反の程度が著しい」として、両者に計約8900万円の支払いを命じている。公立病院での驚きの医療について赤穂市の牟礼正稔市長は「有罪判決が言い渡されたことは厳粛に受け止めている。病院の医療、安全体制の強化・再発防止に取り組み信頼回復に努めてゆく」とコメントしているが、監督すべき市の責任も重い。
松井被告は公判でミスや技量不足を認めて家族に謝罪したが、「ドリルを使うのは上司のA医師の指示だった」などと一部責任転嫁するような発言をし、弁護側は「被告だけの責任にすることは不相応」としていた。脳神経外科の科長のA氏は「指示はしていない」と法廷証言しており、佐藤裁判長は「被告人は6回もドリルの種類を変更していた。手術中に何度もスチールバー(ドリルの一種)を使用していた。被告人の供述は信用できない」などとして松井被告の言い訳を認めなかった。手術の失敗直後、松井被告がA医師に「失敗は先生のせいではありません」とする内容のラインも送っていた。
松井被告はA医師の止血が不十分だったことも主張したが、判決は「仮に不十分であって十分な止血措置ができなかったのなら、A医師の措置を待つべきだった」と指摘し、「被告人の不適切な対応が最大の原因」として弁護側の主張を排除した。
Tさんは、腰痛で病院に相談に行ったわずか5日後に手術をすることになったという。かつて赤穂市民病院に勤めていた男性医師は在阪テレビ局の取材に対して、「経営難になっていて、救急は断らない、手術を増やすように上から言われていた」と打ち明けている。
松井被告は横浜市立大の医学部を卒業して医師となった。外科医には手先の器用さも要求されるが、若宮弁護士は「この件は器用、不器用とか、失敗したとかのレベルではなく、基本の手順が全くなっていないのです」と指摘する。
実は同被告は「今回の手術は初めてで自信がない」とA医師に訴え、A医師が手本を見せて交代したという。Tさんの家族に民事訴訟を起こされると依願退職し、大阪市の医誠会病院(現・医誠会国際総合病院)に移ったがここでも医療過誤で患者を死なせ家族に訴えられ、吹田徳洲会病院に移ったが退職した。今回の判決は赤穂市民病院側のバックアップの不足や「医師活動ができなくなるなど社会的制裁を受けている」ことが情状理由とされており、起訴後は実名報道もされ、医師活動は難しそうだ。


家族入手のビデオ映像が決め手に

さて、難しい医療過誤の立件ができたのはなぜか。若宮弁護士は「民事訴訟の段階で研修用の手術のビデオ映像をご家族が入手していたことが大きかった。まるで血の海の中でドリルを回している様子が映っており、医者ではない私でもこれは駄目だとすぐわかります。他にも病院関係者から多くの情報や資料が寄せられていたのも大きかった」と明かす。
若宮弁護士は「この件で、手術ミスで刑事罰を受けるなら怖くて医者などやってられないと思う医師もいるかもしれませんが、それは違います。ミスとか失敗の次元ではない。松井被告は解剖学的な構造も理解していない。基本ができていないのに指示も聞かない。普通の医師ならあり得ません。このような医師が患者に危険を及ぼさないために、医師免許の取り消しを含めて検討されるべきです」と話す。
医師免許の剥奪などの行政処分は厚労省の医道審議会に委ねられるが、この判決が確定しても剥奪されるとは限らないという。
昨今、公立病院に勤務する評判の良い医師は、民間病院に高給で引き抜かれてしまい、公立病院の医療レベルが低下していると噂される。そこにこの仰天事件だ。行政が相当の危機感を持って臨まなくては「公」の信頼は地に堕ちる一方だ。
赤穂市民病院は「忠臣蔵」で切腹した大石内蔵助ら47人の浪士を祀った大石神社がある赤穂城跡近くに建っている。行ってみたが林院長は不在で院長宛ての手紙を投函したが後日、「受け取り拒否」として返送してきた。

 

 


解説

さて、難しい医療過誤の立件ができたのはなぜか。若宮弁護士は「民事訴訟の段階で研修用の手術のビデオ映像をご家族が入手していたことが大きかった。まるで血の海の中でドリルを回している様子が映っており、医者ではない私でもこれは駄目だとすぐわかります。他にも病院関係者から多くの情報や資料が寄せられていたのも大きかった」と明かす。

 

患者側に圧倒的に不利と言われる医療事故の裁判ですが、被害者側家族の頑張りで、裁判に勝つことができました。

泣き寝入りしなくてよかったですね。

お疲れ様でした。

 

 

獅子風蓮